NTS-1コラボ連載第2回の補足(logue SDKについて)

  KORG, NTS-1, プログラミング

皆様こんにちは、DOTEC-AUDIOの飯島です。

KORG様とのNTS-1コラボ連載も第2回が公開されました!

第2回 NTS-1のエフェクター開発をする準備をしよう

この回ではエフェクターを開発するための環境について説明をしていますが、きちんと説明しようとするとどうしても文字数が膨大になってしまいます。

そこで当ブログでは記事に触れている内容の中でも特に分かりづらそうな部分についての補足をしていこうと思います。

まずNTS-1でエフェクターやオシレーターを開発しようと思うと「logue SDK」というものが必要になるということは既に説明済みですが、正直ページの説明がちょっと簡素過ぎて分かりづらい部分もあります。

(すべて終わってから読み返すと、確かに全部書いてはあるのですが…(苦笑))

https://korginc.github.io/logue-sdk/ja/

ですので、私なりに読み解いていくポイントを解説していきます。

まず

必要なツールチェーンをインストールします: GNU Arm Embedded Toolchain

https://korginc.github.io/logue-sdk/ja/

という部分です。

しれっとした1行ですが、(とくにWindowsで)一番面倒くさい部分がこの1行に集約されています。

記事の方でも、その後に続く「MSYS2 (Windows用)」や「GNU Arm Embedded Toolchain」の説明はどこから出てくるのか?と言えばここになります。

リンク先のGithubのページを見に行くと、ページの下に「Installing the GNU Arm Embedded Toolchain」というドキュメントが表示されており、macOS(OSX)の場合、Linuxの場合、Windowsの場合の手順がそれぞれ記載されています。

ご覧の通り、macOS、Linuxの場合は上にリンクされている「get_gcc_osx.sh」とか「get_gcc_linux.sh」をダウンロードしてコマンドライン実行すれば基本的にそれでツールチェーン(必要なツール一式)のインストールは完了しますが、UnixではないWindowsの場合、Unixのコマンドを実行するための環境が別途必要となりますので、それらを実現するための仕組みが「MSYS2」なわけです。

MSYS2のインストール(というかWindowsでのNTS-1の開発環境の構築)に関しては、こちらのページが大変詳しいのでリンクを貼らせて頂きます。

帰ってきたネコブログ – KORG NTS-1の開発環境構築手順(Win版)

こちらで説明されている手順に従っていけばWindows版の構築は出来ると思います。

1点特に注意があるとすれば「ホームフォルダ」を作るところで、「c:\msys64\home\ユーザー名」以下にlogue-sdkを配置する、ということがちょっと分かりづらいかもしれませんが、Unixなどにおける「ホームディレクトリ」に当たる部分がMSYS2ではこのフォルダになり、ここに配置すればMSYS2のコマンド画面の中でも自分のホームディレクトリにおいてあるファイルとして操作したりすることが出来るようになるわけです。

もちろん今後の開発作業もこの中で行っていきますし、出来上がったエフェクターファイルもこの中にできますので、このファイルの位置関係は覚えておいてくださいね!

また、WindowsであれmacOSであれLinuxであれ、NTS-1のファイルのビルドにはUnixのコマンドラインの知識が必須になってしまいますので「cd」や「ls」など基礎的なコマンドは是非覚えておいてください。

ということで、Windowsユーザーの方はMSYS2から、Macユーザーの方は「ターミナル」からget_gcc_osx.shでのインストールに是非チャレンジしてみてください!

次回もまた引き続き開発環境の構築について補足説明していきたいと思います。お楽しみに!

twitter facebook